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As Time Goes By_猫族.4

小説_猫族_序章4____ネズミ捕りの訓練。中央部に、生後五ヶ月から七ヶ月程度の四匹の子猫がいて、立ったり座ったり歩き回っているのもいる。そこへ担当の猫が鼠、小柄な家鼠だが成獣の鼠を咥えて中央へ置く。瞬間、鼠は林に向かって逃げようと駆け出す...
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As Time Goes By_猫族.3

小説_猫族_序章3____八幡神社に祀られているのは誉田別命(ほんだわけのみこと)とも呼ばれ、応神天皇と同一とされる。全国の武家から武運の神(武神)「弓矢八幡」として崇敬を集めている。神社だが、神仏習合のせいか山門を持ち、これをくぐると、奥...
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As Time Goes By_猫族.2

小説_猫族_序章2____ふと、同族「しどう」の匂いが漂ってきた。家の周り、風上に身を置いたのだろう。私はおもむろに立ち上がると土間に降りた。通い奉公人の「おたき」に向かって、にゃあと鳴く。「おたき」は少し笑うと、鍋横にある笊の中から煮干し...
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As Time Goes By_猫族.1

小説_猫族_序章1私の名前は「にしん」。猫族である。名前の由来は知らない。板床の先に土間が見える。目が覚めた。腹部に熱を感じる。頭を回すと薪から小さな炎が上がっている。囲炉裏端だ。土間は右側に外に開かれて、庭があり強い光が射し込んでいる。お...