As Time Goes By_猫族.4

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小説_猫族_序章4

____ネズミ捕りの訓練。
中央部に、生後五ヶ月から七ヶ月程度の四匹の子猫がいて、立ったり座ったり歩き回っているのもいる。そこへ担当の猫が鼠、小柄な家鼠だが成獣の鼠を咥えて中央へ置く。瞬間、鼠は林に向かって逃げようと駆け出す。担当の猫が鼠を置くまで注視していた子猫たちは、同様に駆けだし鼠を追う。最も早く反応した子猫が追いつき両前足で抑えるが力不足で跳ねられ離されてしまう。と、次に追いついた別の子猫が片手前足で飛ばし抱え込み一噛みする。それでも鼠は振り払い今度は別の方角へ逃げる。もう一匹の猫がこれを捕らえ同様の試みを繰り返すが、とうとう鼠は、見物だけで何の反応を示さない成猫達の間をすり抜け、逃げ切って姿を消した。
子猫たちは、今までの動の状態から一度落胆した後、静の状態へ戻る。すると、待っていた次の担当の猫が中央に向かい、捕獲して口に咥えていた鼠を再び置く動作、子猫たちは一斉に反応し...が続く。
猫は、必ずしも鼠を餌として捉えていないようだ。肉食獣ゆえ、一度に腹に蓄えるとその後は餌となる対象物に関心を持たない行為は同様だが、猫の鼠に対する関心度は異常である。それゆえ人間は太古から鼠対策として猫を飼ってきた。どうも種の起源に関わることかもしれない。

 

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