News_2018.12
ディズニーランド、ディズニーシーの東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドは、「平成30年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰」の「対策活動実践・普及部門」を受賞しました。
受賞対象は、「電力見える化システム」を活用した節電活動で、東京ディズニーランドおよび東京ディズニーシーのアトラクションや飲食施設、商品店舗などに導入した、電力使用状況を可視化する独自の「電力見える化システム」を活用し、実際にテーマパーク内で電力を使用している運営部門と電力供給を司っている技術部門が連携して節電活動を推進し、その結果、2010年度から2017年度までの電気使用量を累計で25百万kWh、CO2換算で約12,000t削減した内容を評価されました。
表彰式は、2018.12.03に東京イイノホールで行われましたが、表彰を受けた代表者以外のメンバーも後刻、壇上で集合写真を撮るなど、栄誉を誇らかに楽しんでいました。
省エネの庄-省エネ技術チェックリスト
地球温暖化防止・省エネルギー・節電の対策として、対策の対象項目を列記します。 この内容は、一般の企業ユーザーから依頼された専門のエンジニアが、特定テーマを除いて通常項目として対象と挙げてチェックする項目です。専門分野に踏み込んでいる項目もあり、一般ユーザーに理解できない部分もあるでしょうが、その場合は、対応してくれている各設備の専門業者に質問すれば答えてくれるでしょう。 リストは、一般/オフィス/ショッピング/ホテル/病院/工場/冷凍・冷蔵庫/家庭 の順となっています。建物の各用途で作業する場合には、始めの「一般」と各用途の「・・・」を合わせてチェックリストとしてご活用ください。
一般
対象 | 項目 | Ck | 内容 |
---|---|---|---|
管理・啓発 | エネルギーに関する社内組織の整備、人材教育を実施 | ||
省エネ目標をたて、それに向けた投資予算を確保 | |||
省エネに関する中長期計画を立案 | |||
エネルギーに関する管理標準を作成・導入 | |||
施設内の省エネ実施状況を把握 | |||
エネルギー利用状況の計測器を設置 | |||
エネルギー利用や省エネに関する定期的な計測、記録を実施 | |||
日報を記録 | |||
日使用量や月別使用量について、負荷曲線や前年度比グラフなどを作成し評価 | |||
建物床面積によるエネルギー消費原単位(熱量原単位、エネルギー費原単位など)を算定し、管理や評価に | |||
O2排出量の算定を行い、CO2削減対策を実施 | |||
電力やデマンド、負荷率、力率について管理 | |||
日、月別の電力使用量を目標を定めて管理 | |||
電力料金について、契約電力や夜間電力利用などを踏まえて最適化 | |||
太陽光発電・太陽熱利用などの自然エネルギーを活用や導入検討 | |||
エネルギー使用状況を、エネルギー利用者に対しフィードバックして改善 | |||
建物床面積や出荷額対比等のエネルギー原単位をとり、管理 | |||
廃棄物の減量化、分別化、再資源化への取組の実施 | |||
省エネの視点から操業方法やライン、勤務シフトの見直し | |||
前月/前年度比グラフ等の作成 | |||
熱量原単位(MJ/m2年)の把握 | |||
管理標準の設定 | |||
建物 | 出入口の隙間風防止対策等 | ||
窓ガラスの日射対策(フィルム・ブラインド)を実施 | |||
屋根の日射防止(熱反射塗料) | |||
ガラス面に断熱ブラインドや断熱シート等の日射遮薮の工夫を実行 | |||
外壁・屋根面に断熱工事や屋上緑化等を行い、建物の断熱強化 | |||
屋根採光の利用や明るい内装 | |||
搬入口やバックヤード扉の確実な「閉」 | |||
室内環境管理(CO2等) | |||
熱源 | 施設側の電力・熱負荷を踏まえ、コージェネレーションシステム(自家用常用発電機)を導入 | ||
電力負荷平準化に対し、蓄電・蓄熱装置、吸収式冷温水器等による取り組み | |||
冷凍機・補機の運転台数適正化 | |||
熱源機器(冷凍機、冷温水発生器等)の性能(成績係数:COP)の管理 | |||
冷凍機の冷水温度の設定等による効率的な運転管理 | |||
熱源機器の台数管理、スケジュール運転を適切に管理 | |||
燃焼機器の空気比、排ガス管理 | |||
ボイラの空気比、排ガスの日常的管理 | |||
ボイラの燃焼制御装置の導入 | |||
ボイラの負荷率、起動/停止状況、台数制御、スケジュール運転等を適切に把握・管理 | |||
ボイラの排ガスから熱回収(給水・空気予熱)を導入 | |||
蒸気圧の回収(背圧タービン)を実施 | |||
燃焼機器・ボイラ等からの排熱を回収して有効利用 | |||
稼動台数制御や時間帯別運転スケジュール管理 | |||
蒸気圧力・ブロー管理 | |||
冷温水温度の見直し | |||
冷却水温度の見直し | |||
現在の熱源機器に対し、高効率機器の導入 | |||
機器の台数分割変更による省エネの実行 | |||
燃焼機器・ボイラ等からの排熱を回収して有効利用 | |||
操業終了前の熱源停止 | |||
搬送 | 畜熱槽(水畜熱、氷畜熱)を導入 | ||
畜熱槽(水畜熱、氷畜熱)の畜熱効率、畜熱・放熱時間を適切に管理 | |||
回転数制御、台数制御の導入 | |||
熱媒(冷温水)の変流量制御(VWV)により、ポンプ搬送動力の低減 | |||
インバータ制御を採用 | |||
経路、配管サイズ、不要配管の整理、複数系統の統合など、配管系統の見直し | |||
機器や配管等の保温、断熱を実施 | |||
使用流量、運転圧力の適正管理 | |||
冷温水、蒸気等の供給温度、返り温度が適切であるように日常的に管理 | |||
使用流量、運転圧力の適正管理 | |||
冷却水温度、水質の管理を日常的に実施 | |||
冷却水の温度は冷凍機の効率を考慮した設定 | |||
蒸気漏れ、保温の管理 | |||
ポンプ、ファンの流量、圧力の調整 | |||
配管からの蒸気漏れ、保温の管理を日常的に実行 | |||
漏洩(水、空気、蒸気)の点検および補修を実施 | |||
機器清掃(フィルター、ストレーナ)を定期的に実施 | |||
蒸気装備の圧力、温度設定を適切に管理 | |||
配管からの蒸気漏れ、保温の日常的管理 | |||
蒸気ドレン回収を実施 | |||
経路、配管サイズ、不要配管の整理、複数系統の統合など、配管系統の見直し | |||
配管の保温を適切に実行 | |||
施設内で発生する排熱の種類や熱量を把握 | |||
水量調整によるポンプ動力の低減 | |||
風量調整によるファン動力の低減 | |||
4管式の場合のいずれか一方の運転停止 | |||
変風量制御(VAV)による換気・空調制御を実施 | |||
空調 | ナイトパージ運転の検討 | ||
空調設定温度の見直し | |||
室内の使用状況に合った空調の実施 | |||
電気室、サーバー室の空調設定温度が低すぎないかを確認、見直し | |||
フィルターを定期的に清掃(2週間に一度程度が目安) | |||
利用していない部屋の空調・換気停止 | |||
外気取入量の見直し | |||
弁、ダンパー開閉状況(自動弁等)の管理 | |||
執務室の設定温度の緩和を検討 | |||
空調機器運転開始時間の見直し | |||
早朝の冷外気取り入れによる冷房負荷の削減 | |||
蓄熱運転スケジュールの見直し | |||
全熱交換器(ロスナイ等)の効果的運用 | |||
室内機・室外機周辺の障害物の撤去 | |||
分散起動 | |||
室内機の熱交換器の洗浄 | |||
空調機(エアハンドリングユニット)の洗浄 | |||
空調機スイッチに空調範囲を表示 | |||
温度計等による室温の把握と調整 | |||
外気取入れ量の適正化 | |||
予熱時の外気導入の停止 | |||
残熱利用による運転時間の短縮 | |||
取り入れ外気量の制御(CO2 制御等)や中間期の外気冷房システムを導入し、外気を空調に利用 | |||
空調フィルターの清掃 | |||
換気 | 機械室・倉庫などの換気ファン運用見直し | ||
受変電室の室内温度の見直し | |||
屋内駐車場換気設備の運転方法の見直し | |||
駐車場換気制御(CO濃度制御) | |||
照明 | 照度の見直しによる照明の間引き | ||
不要な照明の消灯 | |||
照明器具の清掃 | |||
照明点灯時間の短縮 | |||
広告照明などの消灯 | |||
適正な照度管理(JIS Z 9110)を実施 | |||
従来型蛍光灯を高効率蛍光灯やLED照明に交換 | |||
昼休み時間の消灯 | |||
照明スイッチに点灯範囲を表示 | |||
採光を利用した消灯 | |||
外光等の点灯時間の季節別管理 | |||
ランプ等の定期的な清掃・交換 | |||
定期的に照明器具の清掃・交換 | |||
自動調光システムを採用 | |||
人体感知センサーによる照明制御 | |||
自然光採用システムを導入 | |||
電気 | デマンド管理(自動・手動)を実施 | ||
受変電設備の効率的な管理(負荷率・力率)を実施 | |||
変圧器容量や電圧が適切か確認・検証 | |||
需要率や負荷を踏まえて、変圧器の台数管理の実行 | |||
不要な変圧器は負荷遮断 | |||
電力負荷平準化に関して、運用形態の見直し(操業時間、稼働率、負荷率等)を実行 | |||
自動点滅、局部照明の採用 | |||
照明器具清掃、器具交換を計画に沿って実施 | |||
昇降機 | 昇降機は省エネタイプの導入・更新 | ||
時間帯運転スケジュール管理 | |||
インバータ制御の採用 | |||
エスカレータの人感センサーの採用 | |||
エレベーターやエスカレーターの稼働を半減または停止 | |||
稼働率の少ない日は、昇降機の稼動台数制御・管理の実施 | |||
給排水衛生 | 給水流量、圧力調整 | ||
節水対策(節水コマ、自動洗浄) | |||
節水装置等の導入による節水対策を図る | |||
トイレ温水便座設定の見直し | |||
雨水、井水利用 | |||
トイレ温水や冷水器の利用中止 | |||
給湯 | 給湯温度・圧力は適正に管理 | ||
給湯システムの熱損失防止(断熱等)の対策を実施 | |||
不使用時期の温水器電源OFF | |||
給湯熱源機温度・圧力の季節による設定変更 | |||
給湯循環ポンプのインターバル運転 | |||
給湯・給茶器の稼動時間を制限 | |||
厨房 | 冷蔵庫の効率低下抑制 | ||
業務用冷蔵庫のドア開閉時間の低減 | |||
業務用冷蔵庫の冷気流出防止ビニールカーテンの設置 | |||
業務用冷凍・冷蔵庫の稼働台数の限定 | |||
調理器の温度設定見直し | |||
機器 | OA機器のスイッチOFF | ||
パソコンのパワーセーブ機能の活用 | |||
ノートパソコンの昼間時間帯のバッテリー利用(ピーク対応) | |||
日中の自動販売機の照明OFF(ピーク対応) | |||
自動販売機の冷却停止時間の延長 (ピーク対応) | |||
長時間、席を離れるときは、OA機器の電源を切るか、スタンバイモード | |||
事務用機器を業務終了後に停止 |
オフィス
対象 | 項目 | Ck | 内容 |
---|---|---|---|
管理 | 省エネ推進組織の整備 | ||
建物 | 建物東面のブラインドを管理し、朝の冷房負荷の軽減を図る | ||
熱源 | ボイラや燃焼機器の空気比を調整 | ||
ボイラのブローの適正化及び水質の管理 | |||
空調 | 室内の温度を適正に調整(政府推奨温度) | ||
中間期・冬期は、外気冷房を検討 | |||
冷凍機の冷水出口温度設定と補機・搬送動力を合わせた効率を管理 | |||
複数設置された熱搬送ポンプは、負荷に応じた運転台数に調整 | |||
冷凍機の冷却水温度を管理して冷凍機の効率向上を工夫 | |||
CO2濃度を管理し、必要最小限の外気取り入れを実施 | |||
冷暖房開始時には外気取り入れを停止(盛夏厳冬時) | |||
冷暖房終了時間前に熱源機を停止し、装置内の熱を有効利用 | |||
外気冷房が有効な期間は全熱交換器のバイパス運転を実施 | |||
空調機立ち上り時間の短縮を図る | |||
ポンプにインバータを設置し、圧力・流量に対応した運転を行う | |||
冷却塔の充填材は目詰まりの状況により交換 | |||
蒸気弁・配管等の断熱を強化 | |||
熱源機器容量と台数を適切にして部分負荷時の効率を向上 | |||
変風量・変流量方式を導入(VAV・VWV) | |||
CO2センサー等による外気導入制御を採用 | |||
全熱交換器の採用 | |||
中間期・冬期の冷熱需要にフリークーリングの採用 | |||
BEMSを導入し、空調設備の総合効率の向上を図る | |||
換気 | 送風機にインバータを設置し、風量調整を実施 | ||
駐車場換気設備に各種センサーを設置し、発停及び風量を制御 | |||
照明 | 不使用室は消灯を実施 | ||
昼休みは消灯する | |||
照明区分回路を使用区画に合わせて細分化 | |||
既存照明器具の安定器をインバータタイプ化へ | |||
高効率照明器具に更新 | |||
電気 | 変圧器の負荷率を管理し、相間バランスを取る | ||
電気室の温度設定を見直し、冷房負荷・換気動力を軽減 | |||
高効率変圧器の採用と負荷バランスの平準化 | |||
コンデンサ・リアクトルを低損失タイプに更新 | |||
昇降機 | 土休日及び夜間のエレベーターの運転台数を調整 | ||
給排水衛生 | 節水コマ・節水器具を採用する | ||
局所式の採用を検討 | |||
女子トイレに擬音装置を設置 | |||
給湯 | 冬期以外は給湯の停止を検討 | ||
使用量の少ない時間帯は循環ポンプを停止 | |||
機器 | 自販機は夜間停止 |
ショッピング
対象 | 項目 | Ck | 内容 |
---|---|---|---|
建物 | 建物の壁・屋根・ガラス窓の断熱施エ | ||
天井、壁、床等は反射率が高い明るい色あいへ | |||
熱源 | ボイラ、冷凍機、冷温水発生機等の機器容量の台数分割の実施 | ||
ボイラ缶体、蒸気ヘッダ、バルブ類の保温強化を実施 | |||
特定フロンターボ冷凍機の代替フロン化によるCOPの向上と環境対応を推進 | |||
空冷屋外機のショートサーキットのチェックと防止措置 | |||
熱搬送 | 機器の運転台数制御を実施 | ||
(ファン、ポンプ、配管) | VAVシステムの採用 | ||
VWVシステムの採用 | |||
冷水送水温度の大温度差送水化 | |||
ダクト、配管系の断熱状態のチェックと強化 | |||
冷水ポンプにインバータを設置、必要流量に見合った総冷水流量を把握し、適正周波数に設定 | |||
AHUの冷水系統を3方弁から2方弁に改修し、循環冷水量を低減、搬送動力を削減へ | |||
水蓄熱等、蓄熱槽システムでは、プレート型の熱交換器等を介して2次側系統のクローズ化、ポンプ出力の低減を図る | |||
空調 | 外気導入に全熱交換器を採用 | ||
中間期、冬期は外気冷を施するなど室内CO2濃度に準じた外気導入量の適正化 | |||
来店者数に応じた取入れ外気量のパターンを設定し、必要最小限の外気を取り入れるよう制御 | |||
インバータの取り付けによる省エネルギー運転を | |||
冷媒配管は、最短距離で、曲げが少なくなる場所にユニットを据付け | |||
室外機の近くに障壁あるいは障害物との適正なスペースを確保 | |||
室内の吹出口と吸込口をふさがないようにアネモやガラリの適正管理 | |||
吹出口に風向調整装置のある空調機は、吹き出し方向を冷暖別に調整 | |||
店の入口に風除室やエアカーテンを設置して、店外の暖(冷)気が直接店内に入ることを防止 | |||
ダクトの清掃及び漏れの点検補修 | |||
空調機フィルタの清掃、コイルの洗浄をこまめに実施 | |||
フイルタ目詰まり警報(マノメーター)の適性管理を実施 | |||
熱交換器は定期的に清掃 | |||
空調機をシーズンオフなどに長期間停止する時は、電源開閉器を「切」に | |||
換気 | COセンサによる駐車場換気運転を実施 | ||
駐車場 | COセンサーを設置し、基準濃度に応じた換気をするよう管理 | ||
必要最低限の照度を確保すると共に、閑繁に応じ、照明区分を細分化して、管理を徹底 | |||
排ガスを減少させるため、車速が遅くなるように車路を工夫 | |||
アイドリングストップを励行するよう注意を喚起 | |||
照明 | 照明制御システムの採用と点灯回路の細分化を行い、不要箇所の消灯と開閉店前後の点灯時間を短縮 | ||
バックヤードの廊下、ロッカー室等は人感センサーによる点滅を検討 | |||
昼光利用を図る | |||
照明器具には反射板や庇を取り付け | |||
照明器具は定期的に清掃 | |||
高効率照明器具(インバータ照明など)を採用 | |||
光の反射や透過が良い高効率照明器具を採用 | |||
蛍光管は定期的に交換 | |||
電気 | 高効率変圧器へ更新し、全損失の低減を図る | ||
バンク毎の負荷の偏りの是正 | |||
適正室温を維持するため、電気室の空調、換気類を従来のタイマー制御からサーモ発停に変更 | |||
BEMSの採用、計測・制御機能の再構築による省エネ対策とデータ解析を推進 | |||
給排水衛生 | 汚水、雑排水、湧水、雨水等の排水ポンプの頻繁な運転を防止するよう貯留槽レベルを調整 | ||
中水あるいは井水利用設備を検討 | |||
揚水ポンプの能力を見直し、過大な場合はインバータの付加を検討 | |||
中水設備、浄化槽設備(除害設備)等のブロアー容量の確認し、間欠運転の検討等、エアーレーション動力の低減化 | |||
節水型器具を採用 | |||
給水栓のパッキン劣化による漏れを防止 | |||
運用 | 物販 | 省エネタイプのインバータ照明を採用 | |
出入り口に風除室を設置 | |||
照明設備は効果的な演出を行い、白熱電球の割合を減 | |||
中間期、冬季の冷房は外気冷房を採用 | |||
冷暖房運転中はCO2制御など、在館人員に応じた外気量の取入れ | |||
出入口および窓の付近は昼光利用を検討 | |||
空調の冷し過ぎ、暖め過ぎに注意 | |||
管理 | 事務所やバックヤードは用途毎に稼動時間が異なるため、個別空調へ | ||
照明器具はインバータ型へ更新 | |||
事務室等は昼光利用、ロッカールーム等は人感センサーによる点滅を導入 | |||
照明区分を細分化して、不使用箇所の消灯に | |||
冷房・暖房の設定温度は温度緩和へ | |||
食品 | 圧縮機一体型冷蔵機器の低減へ | ||
食品の冷凍冷蔵ケースの冷気の影響で冷し過ぎに注意 | |||
食品は適正温度で管理し、オープン型ショーケースの冷し過ぎに注意 | |||
閉店時はナイトカバーなどで冷気漏れを削減、冷蔵ケースのガラス扉はこまめに閉へ | |||
厨房等 | 個別空調の切り忘れ等を中央監視で確認可能へ | ||
店舗ごとに水・ガス・電気のエネルギー消費を計量し使用量をチェック | |||
各店の空調、冷凍機など機器類ンテナンスは各店任せから、事業者側がメンテナンス基準を設置し一括管理へ | |||
排気ファンと外気処理空調機の風量はガスの使用量に応じて段階的に増減する装置を導入し、電力消費を低減へ | |||
食材保管用冷蔵(凍)庫は出し入れの回数、時間が短くなるよう管理 | |||
給水、給湯量低減のため、食べ残し等を取り除いてから洗浄 | |||
調理用のガス器具の口火はこまめに消し、適正な火力で完全燃焼するよう空気孔を調整。 |
ホテル
対象 | 項目 | Ck | 内容 |
---|---|---|---|
熱源 | ボイラ | 燃焼排ガスの排熱を利用 | |
燃焼管理を実施 | |||
燃焼空気比を確認 | |||
配管 | 蒸気配管の熱損失の確認と削減対策 | ||
蒸気配管器具(トラップ等)の動作確認と補修 | |||
客室外調機 | 運転方法と温度設定の見直し | ||
宴会場系統 | 年間冷房運転の見直し | ||
混合ロスの確認と対策 | |||
厨房給排気 | 給気・排気ファンの容量確認と見直し | ||
給気・排気ファンの運転方法の工夫 | |||
照明 | 供用常時点灯域照明器の省電力タイプへの更新を検討 | ||
運用 | 部門毎の管理のマニュアル化 | ||
不使用室の消灯及び空調の停止を検討 | |||
客室清掃 | 室内空調機は停止へ(外調機は運転中) | ||
照明点灯の見直し | |||
宴会場清掃 | 演出照明は点灯しない | ||
厨房清掃 | 給排気ファンは運転不要 |
病院
対象 | 項目 | Ck | 内容 |
---|---|---|---|
管理 | 省エネ推進組織の整備 | ||
建物 | 建物東面のブラインドを管理し、朝の冷房負荷の軽減を図る | ||
熱源 | 吸収冷温水機・ボイラの空気比の改善 | ||
吸収冷温水機・チラーの冷水出口温度の調整 | |||
搬送 | 冷温水・冷却水ポンプのインバータ制御化 | ||
給気・排気ファンのインバータ制御化 | |||
空調 | 室内の温度を適正に調整(政府推奨温度) | ||
室外機への散水設備設置 | |||
冷凍機の冷水出口温度設定と補機・搬送動力を合わせた効率を管理 | |||
複数設置された熱搬送ポンプは、負荷に応じた運転台数に調整 | |||
冷凍機の冷却水温度を管理して冷凍機の効率向上を工夫 | |||
CO2濃度を管理し、必要最小限の外気取り入れを実施 | |||
冷暖房開始時には外気取り入れを停止(盛夏厳冬時) | |||
冷暖房終了時間前に熱源機を停止し、装置内の熱を有効利用 | |||
外気冷房が有効な期間は全熱交換器のバイパス運転を実施 | |||
空調機立ち上り時間の短縮を図る | |||
ポンプにインバータを設置し、圧力・流量に対応した運転を行う | |||
冷却塔の充填材は目詰まりの状況により交換 | |||
蒸気弁・配管等の断熱を強化 | |||
熱源機器容量と台数を適切にして部分負荷時の効率を向上 | |||
変風量・変流量方式を導入(VAV・VWV) | |||
CO2センサー等による外気導入制御を採用 | |||
全熱交換器の採用 | |||
中間期・冬期の冷熱需要にフリークーリングの採用 | |||
BEMSを導入し、空調設備の総合効率の向上を図る | |||
換気 | 排気ファンの運転時間短縮 | ||
照明 | 部分消灯、点灯時間の短縮 | ||
自動販売機の照明の消灯 | |||
屋外照明の点灯時間の見直し | |||
昼休み中の照明の消灯 | |||
人感センサによる照明制御 | |||
誘導灯の高輝度化 | |||
電気 | 変圧器の負荷率を管理し、相間バランスを取る | ||
電気室の温度設定を見直し、冷房負荷・換気動力を軽減 | |||
高効率変圧器の採用と負荷バランスの平準化 | |||
コンデンサ・リアクトルを低損失タイプに更新 | |||
昇降機 | 土休日及び夜間のエレベーターの運転台数を調整 | ||
給排水衛生 | 節水コマ・節水器具を採用する | ||
給湯 | 冬期以外は給湯の停止を検討 | ||
使用量の少ない時間帯は循環ポンプを停止 | |||
機器 | 自販機は夜間停止 |
工場
対象 | 項目 | Ck | 内容 |
---|---|---|---|
熱源 | 焼却炉 | 燃焼排ガスの排熱を利用 | |
ボイラー | 安価な燃源を選択 | ||
燃焼管理を実施 | |||
燃焼空気比を確認 | |||
空調 | クリーンルームの循環風量の見直し | ||
クリーンルーム等の加湿停止を検討 | |||
電気 | 不要変圧器の遮断 | ||
変圧器負荷の適正化を図る | |||
圧縮機 | コンプレッサー運転台数の縮減 | ||
コンプレッサー機器の台数制御、最適容量制御を適切な実行 | |||
コンプレッサーの吐圧出力、使用端圧力の低圧化を検討 | |||
インバーター制御化を検討 | |||
コンプレッサーの吸気温度の低減化を図る | |||
コンプレッサーの吸気フィルターの清掃 | |||
コンプレッサー系統の高/低圧ラインの区分けの適正化 | |||
配管の太さ、ルートの見直しやループ配管化を検討 | |||
圧縮空気のエア漏れを確認、低減を図る | |||
排水処理 | 曝気槽のブロワの間欠運転を検討 | ||
排水処理施設の稼働を夜間にシフト(ピーク対応) | |||
生産 | 電気炉、電気加熱装置の断熱強化 | ||
製品サイズに応じたヒーター出力へ見直し | |||
効率的な台数での生産設備の運転へ | |||
集塵装置のファン動力の低減を工夫 | |||
生産設備・製品の過剰な冷却の見直し | |||
効率の良い機器を優先的に使用 | |||
バッチ処理や連続処理の夜間、早朝へのシフト(ピーク対応) | |||
生産設備の運転開始時刻の見直し | |||
生産装置のアイドル運転時間の短縮 | |||
機器の起動順序、運転時間、運転方法の変更 | |||
ライン停止時、非操業時の設備電源OFF | |||
運転不要時の停止 | |||
ギアヘの給油によるモーター動力の低減 | |||
駆動ベルト・チェーンのテンション適正化 | |||
炉内の温度制御点の見直し | |||
製品搬送コンベア運転の見直し | |||
水の節約によるポンプ動力の低減 | |||
加熱設備の設定温度の見直し | |||
加熱設備の過剰な冷却・熱気漏れの低減 | |||
洗浄槽 | 高温排水の熱の有効利用を検討 | ||
乾燥装置 | 排熱の回収を検討 | ||
溶接設備 | 抵抗の削減、無効分流損失の削減を検討 | ||
洗浄水 | 前洗浄を効率的に行い、本洗浄の水量削減を図る | ||
洗浄液の回収・再利用を検討 |
冷凍・冷蔵庫
対象 | 項目 | Ck | 内容 |
---|---|---|---|
建物 | 冷蔵・冷凍庫の気密性向上を図る | ||
庫内温度分布の把握 | |||
開口部 | 外気侵入を防ぐその他の設備(エアカーテン、シートシャッター) | ||
プッシュプル式エアカーテンの採用 | |||
空調設備 | 補機 | 必要量のサーキュレータ設置 | |
運用 | デマンド制御運転 | ||
デフロスト時間、間隔の適正化 | |||
車両接車時の外気侵入防止 | |||
冷蔵・冷凍設備の設定温度を見直し | |||
電力ピーク時の庫内負荷低減のための運用工夫 | |||
冷凍倉庫の時間帯別設定温度を検討 | |||
室外機廻りの打水 | |||
定期保守 | 冷凍機のオーバーホール | ||
冷却器のフィン清掃 | |||
冷却塔の清掃 | |||
機器 | フォークリフト用リモコン式開閉装置の採用 | ||
フォークリフト照明のLED化 |
家庭
対象 | 項目 | Ck | 内容 |
---|---|---|---|
建物 | すだれやよしずなどで窓からの日差しを軽減 | ||
空調 | 体に負担とならない範囲で設定温度を緩和 | ||
(設定温度24℃~28℃の範囲は1℃上げるごとに10%削減) | |||
扇風機を使い、エアコンの使用を軽減 | |||
設定温度を「強」から「中」に変更 | |||
冷蔵庫 | 扉を開ける時間をできるだけ減らし、食品をつめこまない | ||
照明 | 不使用室は消灯 | ||
LED灯に交換 | |||
TV・PC等 | 省エネモードに設定するとともに画面の輝度を下げ、必要な時以外はOFF | ||
(省エネモード・輝度下げで10%削減) (テレビ視聴の約1/3が「ながら見」との調査結果) |
|||
リモコンの電源ではなく、本体の主電源を切断、長時間使わない機器は、コンセントからプラグを抜く | |||
(家庭の電力消費のうち、約6%が待機電力消費との調査結果) |
省エネルギー手法
建物、特に業務用建物の運用では、主に建築設備の運転にてほとんどのエネルギーが費やされます。これを以下に効率よく無駄なく運転することが重要で、業務遂行の経費である動力費、燃料費の軽減に繋がります。地球環境的には、化石燃料である原油量の削減、地球温暖化の大きな要因である二酸化炭素排出量の削減に繋がります。 その対策は、空気調和換気、給排水衛生、電気など建築設備について、専門知識をもとに施設運用上の工夫、設備改善の必要性など、正当で効率のよい省エネルギー対策を選び実施する事が重要です。 常套手段を紹介しましょう。問題意識とものの基本をベースにした考え方があれば、専門知識を持たなくても可能だと思いますので、自分なりに試してください。
<コンサルティング手法の紹介> 公共機関では無料の省エネ診断(私も参加していますが…)が行われていますが、単発的な省エネ診断はほとんど効果を生みません。1回きりの作業ではなく継続が重要です。まずは夏または冬のシーズン(冷房暖房にかかるエネルギー消費が追加され全体が増加する期間)を対象としてください。 0.作業のメリット ?節電・省エネが図れ、結果的にエネルギー費が削減されます。 ?エネルギー価格の値上げ分を相殺できます。 ?作業によって管理の充実化を図ることになるので、副次的に設備台帳など管理資料が整備されます。 ?管理資料は電子化(PCシステム)することで、標準化資料として他の用途に活用できます。 (後日の機器更新等の情報変更はPC入力で容易にメンテが可能となります。) ?電子化された管理資料は、管理充実のための計測等でも活用(リンク)できます。 1.データ確認と事前診断 対象の現場が近くでない場合や所轄部署が異なる場合には、まずは、対象テーマの情報を入手します。初回の現地打合せ&現場調査の前に、入手したデータと統計情報を基に簡易的な診断を行います。当初から具体的な詳細データを入手できると、第1回目の打合せ時から迅速・効果的に進みます。 [事前診断のため、早めに入手したい情報] ?過去1~3年間の各エネルギ事業者(電気・ガス・燃料・水道)からの請求書(明細)
2.初回の現地打合せにて 初回の打合せにて、入手したい資料・データを下記に挙げます。これらは以降の分析・評価・診断に必要です。データが正確・詳細であるほど、評価作業の精度が上がります。 [対象とする建築設備等の情報] ?建築、電気、衛生、空調の竣工図等 ?機器仕様リスト(製造メーカー名、型番) ?設備管理台帳 ?機器更新履歴 ?機器・システムの運転稼働スケジュール ?エネルギ費 (請求書:電気、ガス、燃料、水の消費量と費用明細) ?(あれば)現行採取している計測データ
3.現地調査(ウォークスルー) 初回の現地打合せ時に、対象となる施設の現場調査(ウォークスルー)を行います。 対象とする施設の規模にもよりますが、対応者の負担も考慮に入れ、初回は半日程度で良いでしょう。 施設管理担当者へは、施設の概略説明と機械室入室に必要な鍵等の手配を依頼します。
4.分析・評価・診断 対象施設の現況を把握し、恒久的な節電・省エネ策を講じるための施設管理システムの構築へ向け、第1ステップを踏みます。 ?設備台帳の作成 ?主要機器の運転状況の把握 ?モデル化による運転シミュレーション ?機器・システム性能評価および運転状況評価 ?現状把握と改善策の提案
5.結果報告と対策提示 対象施設の管理者等へ分析結果の説明を行います。 できれば、作業で作られた副次物、例えば、設備管理台帳のようなものを提示提供する。 改善策(運用改善、設備改善)を提示します。 できれば、概略の対策予算を策定します。
6.継続作業化をめざす 一時期流行った品質管理活動で重要視したPDCAに則り3.から5.の作業サイクルを常態化させましょう。その結果、次のステップとして掲げる高度な管理システム化が可能となります。
A.建物の設備管理システムの構築へ 設備運転の設定・制御・状態・性能評価全てを総括的に網羅し、一元化させたデータに基づく各用途・対象者への出力(帳票)を実現します。 電気、空調、衛生、通信など全ての建築設備の対象情報をデータシステム (ソフトウェア)化することで、常に最新情報が維持できるようになります。 その後、高レベルでは常時、 低レベルでは都度、人による作業により ・空調機器、システムの常時性能評価 ・環境性、省エネ性、省コスト性の総体・各部署の常時評価 ・節電状況の総体・各部署の常時評価 ・充実させた計測・集計データによるハードウェアの状態監視と保全 ・管理実務の標準化(管理実務会社による差を生まないシステム) へ進められれば成功でしょう。